色彩なカンケイ:自分優先? 他人優先?

先日の記事「同じ価値観じゃなくていい」でもお話ししましたが、日常でのコミュニケーションは様々な価値観との出会いと言えるかもしれません。
うまく分かち合えることもあれば、衝突してしまうこともある…。そんなことの繰り返しです。

なるべくなら衝突を避けて、心地よい関係性を築きたいものですよね。
そのヒントは、日常でのコミュニケーションや身近な関係性の中に隠れています。


Case01 自分優先? 他人優先?

ある時、AさんとBさんは今後活動において、自分自身の目標についての話し合いをしていました。Aさんは自分の今後の展開を話し、そこへのステップを語ります。それを聴いたBさんは…

Aさん「…というわけで、私は自分の目標達成のために、
    この3つのことにチャレンジしていこうと思っているんだ」
Bさん「へぇ~、すごいね。…あ、そうだ。今度さ、ちょうどいい機会があるから、
    Aのことをみんなに知らせてみるよ。きっとAのためにもなると思うし、いいと思うんだよね」
Aさん「いやいや、ちょっと待ってよ。今はお互いが自分の目標を達成するために
    どうするかって話じゃない。Bも自分のこと考えなよ」
Bさん「考えてるよ。でも、Aの考えもすごくいいなと思うから、できることをしてあげたいんだよ。
    そうしたら自分でも嬉しいし…」
Aさん「えー、まずはお互いに自分のことをやろうよ。私もBにできることはしたいと思うけど、
    まず自分が自分のことをやってからじゃないの?お互いに自分のことを一生懸命やって、
    その過程で協力できることをしていくっていうスタンスでいいじゃない」
Bさん「…ただ自分がしてあげたいって思ったから言ったんだよ。でもAが迷惑だって言うんならいいよ。
    もうやらないようにするから!」
Aさん「別に迷惑ってわけじゃないけど…」

自分軸と他人軸

あなたは、自分のことをまず優先させるタイプですか?それとも、自分のことは後回しにしても周囲の人たちに尽くしたい、役に立ちたいと思うタイプですか?

状況や相手にもよるかも知れませんが、どういう傾向が強いでしょうか?

このケースのAさんは自分軸で動き、自分のことを優先させるタイプです。自分の気持ちや考えに素直で、そこに向かってどんどん行動していきます。
一方、Bさんは他人軸を大切にしていて、自分よりも他人を優先する傾向があります。「他人がどう思うか?どう感じるか?」に対して敏感で、そちらに意識が向きます。

今回のケースを、人が持つ特性を色で置き換えて大きく4つに分けたメソッドである「カラータイプ」で見てみます。

自分軸で動くのは、スピード感や決断力があるエネルギッシュで存在感抜群の「決断」タイプ、自分の夢に素直で自分の感性を大切にする「創造」タイプとなります。
Aさんはこれらのタイプの傾向が強いですね。

そして、相手軸で動くのは、常識やルールを重んじ、信頼感のある「堅実」タイプ、控えめで優しく気配りのできるサポート役の「協調」タイプに多くみられます。
今回のBさんは、相手のサポートや応援をしたいという点を考慮すると、「協調」タイプの傾向が強そうです。


2人のタイプが違うことを考えながらもう一度ケースを見てみると、タイプの違いが発言にもよく表れているのが分かりますね。Aさんは、まず自分のことをこなしてから他人にも応えていきたいと考え、Bさんはまず他人に何かしてあげられることはないかと考えています。

結局、AさんもBさんも結論としては、相手や他の誰かのために協力することには同意していますが、そこに至る順番が違うのです。

大切なのは「バランス」がとれていること

まず自分。まず他人。
人との関係を築いていく時には、そのどちらも大切な視点です。

自分はどちらを優先させるタイプなのかを知っておくこと、また自分とは反対のタイプもいると知っておくことで、お互いの特性を活かしながら心地よい関係性を築く第1歩になりそうですね。


また、どちらが優れているとか劣っているとかそういうことではありませんが、どちらか一方だけに偏りすぎているとどうなってしまうでしょう。

・自分ばかり⇒自己中心的、わがまま、顰蹙を買う、周囲から孤立
・他人ばかり⇒自己犠牲的、過干渉、他人の目を気にする、周囲に依存

あまりに偏るというのも、周囲との関係性を悪化させてしまうことは想像に難くないですね。まったく1人で生きている人はいないですし、その時々の状況で自分と相手のベストバランスを探っていくことが大切なのではないでしょうか。


そして、それは他人との関係性の前に、「自分の中」でも言えることです。
ついつい自分のことばかりに押し出してしまうのなら、時々他人のことを優先させてみる。逆に、ついつい相手に譲ってしまって自分を後回しにしてしまうのなら、時には自分の言いたいことややりたいことを優先させてみる。

そんなバランスがとれている人って素敵だなと思います。
「優しさ」って自分と他人のバランスがとれ、双方にとって心地よいことを言うのではないでしょうか。


*Written by S.H