傾聴の効果ってなんだろう ~体験談を深める~

こんにちは、細淵です。
今回は前回の続きで、<傾聴の効果ってなんだろう>をテーマに語っていきたいと思います。

さて、前回の記事では趣向を変え、体験談から聴くこと(傾聴)の効果を感じ取っていただけるように私の体験談を共有しました。お読みくださった方は、感じたことや気づいたことがあったでしょうか?

私にとってこの聴いてもらった体験は大きく、自分の聴くスタイルのベースにもなっているんです。

▼基になっている体験談はこちらから読めます。
傾聴の効果ってなんだろう ~体験談から感じる~


今回はこの体験談から私が気づいたこと・感じたことを共有します。
これが正解というわけではありません。聴くこと(傾聴)を大切にしている者の1人のお話と思って気軽に読んでくださいね。


相手の気持ちを否定しても何も変わらない・・・だから、聴く

人が話を聴いてほしいと思うとき、そこには相手なりの「分かってほしい気持ち」があります。

聴くことにおいて、相手の感情や気持ちが<正しいか・正しくないか>とか<賛同できる・賛同できない>などのジャッジはいらない・・・それが、私の聴くスタイルの大前提です。

だって、相手がその気持ちを抱いたのは紛れもない事実なんですから。

それを他人が「そんなことない」「そうじゃない」と否定したところで、あまりメリットはありません。
否定しても相手をコントロールすることもできないし、本心を聴くこともできません。そして、心を通わせることも難しくなってしまうんです。

どうであれ、相手の感情や気持ちを受け止めて理解する。
まずはそのことに一生懸命になりたい、と私は考えています。

励ましや気遣いは<やさしい否定>にならないように

誰かが落ち込んでいたり、元気がないとき、何とかしてあげたいと思うのは自然なことです。だから、相手を励ましたり、気遣ったりするんですよね。

でもそれを、相手の感情や気持ちを飛び越えてしてしまうと逆効果になってしまいます。

体験談の当時、私もたくさんの励ましや気遣いをもらいました。それなのに、どんどんつらくなってしまったのです。贅沢言うな!と思うかも知れませんが、人の心は正直です。


励ましたり、気遣っているつもりで相手の気持ちを否定してしまうことを、私は<やさしい否定>と呼んでいます。これは、励ましたり気遣っている人に悪意がないのも特徴です。

そして、悪意がないと分かるからこそ、受け取る人は邪険にもできず、つらさが倍増してしまうのです。


日常会話では、そんな神経質にならなくてもいいかもしれません。でも、<やさしい否定>の可能性を心の片隅に置いてもらえるといいなと思います。

「私、なにやってもうまくいかないんだよねー」
「なに言ってんの、そんなことないって。元気だしなよ!」
「うん・・・」

相手の心の機微に気づきやすくなるかもしれませんよ。

「受け止める」ことが、相手を大切にする一番シンプルな方法

エピソードのなかで私は、<疲れていない>という自分の気持ちが理解してもらえず、苦しみました。

ただそれだけを理解してほしかったんです。別に原因を突き止めてほしいわけでも、解決方法やアドバイスが知りたいわけでもない。自分の気持ちをそのまま受け止めてほしかっただけです。


だから、ドクターの「分かった、疲れてないんだね」の言葉に救われました。今でもその言葉をよく覚えているということは、私の心に届いた証拠だと思っています。

ドクターのその一言で、私の心も身体も余分な力が抜けたように軽くなりました。
よく聴いて、相手の伝えたいことを受け取ったと表現する。それだけでいいんです。目からウロコの解決策や奇を衒った言葉はいらないんですよ。

「よかった、分かってくれた…」

そう感じたときの安堵感は、相手の話をよく聴かないと生まれません。そのような安堵感が心に広がったとき、人は初めて前に進めるのかもしれません。

聴くことは最大限の励ましになる

「聴く」というのは、ただ事実を確認し、明らかにすることではありません。むしろ、事実よりもその人の感情や気持ちを理解することに重点を置いた関わりといえます。

だから、冒頭の<相手の感情や気持ちにジャッジは必要ない>ということになるのです。

感情や気持ちを理解していく「聴く」という営みが、実は相手にとって最大限の励ましになることもあるんですよ。

自分のことを理解してくれる人がいる。
それって、とても心の支えになることだと思いませんか?


これについては、言葉を重ねるよりも、聴いてもらう体験を重ねた方がはるかに腑に落ちやすいです。ですが、今回の体験談からも聴く効果の一端を感じてもらえたなら、とても嬉しく思います。

聴いてもらってすぐに劇的な変化が起こることはあまりないかも知れませんが、聴いてもらう機会を持つことで、必ず自分の嬉しい変化を感じられます。

In-Studiumのイベント「聴いて話す会」でも聴き合う時間があるので、ぜひチェックしてくださいね。

▼最新の開催情報はこちらでチェック!
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後日談:で、原因は何なのよ?

ここからはオマケです。
私の手足の腫れはいったい何が原因だったのか。それが分からないと夜も眠れないという方へ(笑)


結論から言うと、原因不明のままです。

症状が消えてからかれこれ7年以上経ちますが、再発はありません。現在もおかげさまでピンピンしています!

いま私が思うのは、心因性の症状だったのではないかということ。
<疲れていない>が理解されなくてつらかったと書きましたが、それよりも前から、心のどこかで自分が理解されないことに負担を感じてきたのだと思います。

それを知らせるための身体の異変だったのかもしれません。

心の負担を身体が代わりに表現してくれることは意外に多いものです。緊張で汗が出るのも、学校や会社に行きたくなくてお腹が痛くなるのも、その一例かもしれません。

もちろん、何かの病気の可能性もあるので、ドクターに診てもらうのも大切ですけどね。

いずれにしても、この体験のおかげで今の私があるのは間違いありません。今では感謝、感謝です(^^)