おかげさまで、先日の「聴いて話す会」も無事に終えることができました。ご参加くださった皆さん、ご協力くださった方々に感謝いたします。ありがとうございます❤
参加してくださった方々のおかげで、「やっぱり聴いてもらうっていいよね」と再認識させていただきました。
その素敵な勉強会の模様は改めてレポートしますね(^^)
私が今回のイベントで気づいたことは、聴くことの効果を知るって大事だなぁということ。
その効果を体感するのに一番いいのが<自分が聴いてもらうこと>なんです。これはぜひ、今後の「聴いて話す会」で体感してほしいです!
そして、もう一つ効果を体感しやすいのが、誰かの聴いてもらったエピソードに触れること。いわゆる疑似体験というものですね。というわけで、今回の記事では、私の体験談を共有してみたいと思います。
「話を聴いてもらったらいいと思うけど…でも、それだけ…?」と、<聴くこと>に半信半疑な方にも、「傾聴って大事だよね!」と実感されている方にも、聴くことの効果を少しでも感じてもらえる機会になれば嬉しいです。
体験談:歩くのもつらい…でも、異常が見当たらない?
私が20代前半のころに起こった出来事です。ある日、自分の手足が少し腫れていることに気づきました。なんだろう?と思いながら、軽くマッサージをして数日様子を見ていました。
ところが、そのむくみのような症状は日に日に強くなるばかり。怖くなった私は、病院へ行くことにしたんです。
病院で検査をしてもらうものの・・・結果は異常なし。
むくみを取るお薬を処方されて、様子見になりました。
しばらくすると、なんと症状は改善されるどころか悪化!
手足は明らかに腫れいるのが分かるし、手足にこわばりを感じて動かしにくくになってしまいました。ひざが痛むのでしゃがむこともままならず、床にも座れない。歩くのも痛みが伴うので、日常生活にも支障が出ました。
それなのに、どこの病院に行っても、どんな検査をしても、異常はないのです…。
「疲れているだけ」
「少し休んで」
「異常はないから様子を見て」
自分の身体に何が起こっているのか分からず、どんどん気が滅入るばかりでした。
そんな私を、周囲の人たちは心配して、励ましてくれました。
「きっと疲れが出たんだよ」
「ゆっくり休んだらよくなるよ」
「無理しないで」
私の状況を見た人たちは、必ずといっていいほど、「疲れているんだ」と言いました。ですが、私は疲れなど一切感じていなかったのです。
初めこそ「疲れてはいないんですけど…」と自分のことを話そうとしましたが、返ってくる反応は同じ。
「でも、疲れって知らないうちに溜まるからね。無理しちゃダメだよ」
「気づいてないだけだよ。ちゃんと休まないとね」
次第に自分のことを話す気持ちはなくなり、「そうですね、休みます」と表面的な受け答えをするようになっていました。心の中では<そうじゃないのに…>と思いながら。
もちろん、「疲れてるんだよ」と言った人の多くが私を心配してくれたことは、頭では理解できていました。
でも、理解してもらえない孤独感と空虚な気持ちが私の心を占めていたんです。そしていつしか、周りの思いやりに感謝できない自分を責め始めていました。
数ヵ月後、ある病院で診察を受けることになりましたが、私はもうすでに投げやりな気持ちでした。どうせまた同じ結果だろう、時間のムダだ・・・と。
私が診察室の椅子に座ると、そのドクターは自分の身体をこちらへ向け、私と正面から向き合ってくれました。私の方を見てくれている…ただそれだけのことが、当時の私を驚かせました。
「今日は、どうされましたか?」
そして驚いている私に、ドクターは優しく声をかけてくれました。とても柔和な表情で。
その瞬間から、私はこれまでのことをとめどなく語り始めたのです。何をどう語ったのか…自分でもよく覚えていないほどでした。
ですが、その中でひとつだけ、必死に訴えたことがありました。それだけはよく覚えています。
「私は疲れてなんかいない!それなのに、みんなは疲れてるって言うんです。私は疲れてなんかいないのに…!」
一頻り話すと、ドクターが「分かった、疲れてないんだね」と返してくれました。
「そうなの…疲れてないの…」
私はそう呟き、自分の気持ちを反芻しました。
「今度は僕が話してもいい?」
そのドクターの言葉に、私はハッとしました。すごくたくさん話した…そんな感覚が自分のなかに急に浮かび上がったからです。
そして、私が話す間ドクターが一度も遮らずにずっと聴いていてくれたことを知りました。
その後、腫れた手足の触診をしてもらいましたが、ドクターも原因は分からないと言います。これまでの検査結果も踏まえたうえでの結論です。
触診で痛みがあることを伝えたので、ドクターは湿布が必要か聞いてくれました。
「いいえ、必要ありません」
私はすぐにそう答えました。
手足の腫れも痛みも変化がなく、原因も分からないまま。ですが、私の心には変化があったのです。根拠は何もないけど、<私は大丈夫>そう思えたのです。
次回までに手足の様子を観察することと、また話す約束をして診察は終了しました。
薬の処方もない、処置もない、原因も分からない。それなのに、私はこれまでで一番晴れやかな気持ちで診察室を後にしました。
心が安堵感で温まり、満たされた気持ちで帰路に着きました。
そしてその日を境に、私の手足の腫れはどんどん引いて、ついに消失したのです。
あなたが感じた<傾聴の効果>は?
最初にもお話しましたが、これは実際に私が体験したことです。当時の私は、<聴いてもらうこと>がよいことは頭では理解していましたが、自分の体感として腑に落ちていなかったというのが正直なところでした。
聴いてもらうこと(傾聴)の効果については今までこのブログでも言葉で説明してきましたし、他のところでも説明されていることが多いと思います。
ただ、頭で理解していることと、実際に体感して持っていることは、やはり違います。
なので今回は趣向を変えて、体験談から傾聴の効果を感じ取ってもらえたらと思い、共有しました。私はこの体験を機に、聴いてもらうことの効果を体感することができました。
みなさんはこの体験談をお読みになり、どんな効果を感じたでしょうか?
正解はないので、その感じたことを大切にしてくださいね。
次回は、私がこの体験から気づいたことなどをシェアしますね。
⇒傾聴の効果ってなんだろう ~体験談から深める~
(※話を聴けば病気が治るとか治療効果があるという話ではありませんので、誤解のないようにお願いします)