鬱を散ずる

私は、毎朝早く起きてジョギングをするように心がけています。

「早起きは三文の徳」と言いますが、朝ジョグ(=朝のジョギング)は、私の中で「三文の徳」といえます。

ちなみに、現代で考えると一文は約12円。なので、三文は約36円となります。
でもこれは、早く起きればお金が儲かるという話ではなく、「徳」のお話です。例で使われた「三文」はほんの僅かなものですが、ちりも積もれば山となる、とも言います。

そこで、今回は私が朝ジョグをしていて、「いいなあ」と思うことを三文にかけて3つ挙げてみたいと思います。



朝ジョグ3つのメリットとは

1つは、カラダを起こすこと。

これは、頭も含めたカラダのことです。頭も徐々に目覚めてくる感じが気持ちいいです。


2つ目には、そうやってカラダも頭も起きてくるので、朝から仕事やしなければならないことに、すぐに取り組めること。

そして、毎日にリズムも出てくる感じがします。例えば、「明日また朝早く起きて走るには、今日早めに職場に行って、早く帰宅できるようにしよう。そして、23時には寝よう。そのためには、21時までにはメシやフロも済ませて…」という感じで、逆算してマイ・スケジュールが立てやすくなります。


3つ目には、「自分と向き合う時間」ができること。

走りながら、自分が感じていること、考えていることを振り返り、景色など外からの穏やかな刺激も感じながら、少しずつ整理されてくるような気がしています。

その結果、とても前向きになれる。そういう時がしばしばあります。
この他にも、夏場は日中暑く、運動することはリスクになりますが、朝はまだいくらか涼しいので、動きやすいということもあります。


また、ジョギングをすることで自分のスタイルを維持するというメリットもありますね。上にあげた3つのこと、その他のことにも通底していえることとして、何よりも鬱々した気分を解消できることがあります。

私は、その気持ちよさを一番実感しています。
運動すると脳内で、ある物質の分泌が盛んになって、気分を和らげたり、前向きにさせたりする…ということが言われたりもしていますよね。

桂小五郎が勧めた気分転換法

実は、『明治天皇紀』の中に、この効果を彷彿とさせるような記事があります。

明治初期、ちょうど西南戦争が起こっているときです。当時、明治天皇は京都の御所に出向かれていたのですが、表に出てこられないことがあったようです。

その際に、「明治の元勲」「維新の三傑」の一人である木戸孝允(桂小五郎)が「(明治天皇の)鬱を散ずるために乗馬を勧める」ことがあったのだとか。
つまり、外に出て、乗馬をして体を動かすことで「鬱を散ずる」ことを勧めたのですね。


木戸孝允自身も時々に気分の上がり下がりがあったようです。
自身の経験・実感から、「体を動かすことで気分の転換を図れる」ということを知っていたからこその心遣いだったのかもしれません。

「鬱を散ずる」という言葉。
朝ジョグしたあとで、その意味をとても実感する言葉です。


*Written by A.KOBAYASHI